クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
2.幼なじみ宣言
翌日の学校の昼休み。
私は友達の山下天音ちゃんと一緒に、学食へと向かって歩いていた。
天音ちゃんはショートカットが似合う女の子で、目がくりっとしてて凄く可愛いの。
私たちは普段はお弁当だけど、たまに学食でお昼を食べる日もあるんだ。
私が去年から通う花城学園は世間でも有名な私立の進学校で、政治家や大企業社長のご息女も通うようないわゆるお金持ち学校。
だから、学食といっても和食・洋食・中華のメニューが揃っていて、高級ホテルのレストランみたいに豪華なの。
ちなみに友達の天音ちゃんも、リゾート会社の社長を父に持つお嬢様。
そんなお金持ちの人たちのなかで、どうして私みたいな庶民がこの学園に? と、周りからは思われるかもしれない。
私が通っていた小学校は公立だったけど、小学6年生になる目前に、陽向が花城学園中等部を受験するという話を耳にした私は、陽向と離れたくないと思った。
陽向に『ただの幼なじみ』と言われてしまったけど、まだ陽向を想い続けていた私は少しでも彼のそばにいたかった。
だから、お父さんとお母さんに無理を言って、遊ぶのも我慢して、約1年間必死の思いで勉強して花城学園に入ったのだった。