クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
ムカつくって、陽向……本当に?
「まあ、許嫁って言っても。所詮、互いの親が勝手に決めただけの関係だけどな」
陽向の言葉に、胸がズキッと痛む。
「そもそも俺たちは、恋人ってわけでもないし。星奈にとって想良は、小学校からの大事な友達だろうに。突然こんなことを言って、悪かった」
「ううん」
首を横に振る私の頭に、陽向がそっと手を置く。
「まあ、たとえ親同士が勝手に決めた許嫁の関係だとしても。俺は、星奈から離れるつもりはないけどな」
「えっ?」
「このまま想良に負けっぱなしなのは、嫌だし。俺はお前のこと、誰にも渡したくない」
「陽向、それって……」
思わず聞き返してしまったけど……期待だけは、絶対にしちゃダメ。
だって私は小学生のとき、一度陽向に振られているんだから。
ドクン、ドクン。
緊張のせいか、心音がいつもより大きくなる。
「えっと。それは、つまり……」
つまり?