クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「それで、質問に答えて欲しいんだけど」
ちょっと、待って。何これ……。
西田さんに腕を引かれ、連れて来られたのは学校の屋上。
そこには、西田さんの他に派手な見た目の2年生があと3人いた。
全員、友達でも顔見知りでもないけれど。
これは、もしかしなくても……やばいやつだよね?
身の危険を察した私が、咄嗟に走って逃げようとしたとき。
「おっと。話はまだ終わってないでしょう?」
先回りした一人に、屋上の出入口を塞がれてしまった。
「それで、私に聞きたいことって?」
「あのね。最近2年生の間で、澄野さんのことが噂になってるのよ」
4人のなかでもリーダー格の、金髪の子が口を開く。
「私が、噂に?」
「そう。澄野さんが一之瀬くんと秋川くんに、二股かけてるってね」
二股って、何それ……!
「わたしは、水上くんと三股って聞いたけど」
……ひどい。根も葉もない噂に、私は言葉が出なくなる。
「ねえ。その噂ってホント?」
「いっ、いえ。二股なんて私……そんなことしてません! もちろん三股もっ!」
私が即座に否定すると、金髪さんがキツく睨みつける。