クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「はぁ? よく言うわよ。澄野さんって、一之瀬くんと許嫁なんでしょう?」
「どっ、どうしてそれを……」
学校で陽向と許嫁であることは、天音ちゃん以外の誰にも話していないのに。
「……やっぱりそうなんだ」
しまった。私は慌てて口を手で押さえるも、もう遅かった。
「澄野さんのクラスの田中さんって子が、この前スーパーで一之瀬くんと会ったときに、ふたりの話を偶然聞いたんですって」
うそ。あのとき、スーパーで田中さんの姿が見えなくなってから陽向のところへ行ったのに。
まさか、陽向との会話を彼女に聞かれていたなんて。うかつだった。
「一之瀬くんが、いつも女の子からの告白を断ってるのって。もしかして……あなたという許嫁がいるからなのかしら」
え?