クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
まっ、まさか……。
嫌な予感がした私は、足首の痛みに耐えながら何とか立ち上がり、屋上の扉の前へと向かう。
ガシャンガシャン!
扉を開けようとドアノブをまわすも、扉は開かない。
ガシャンガシャンッ!!
それから何度か扉を押したり引いたりを繰り返してみるけど、やはり扉はビクともしない。
「う、うそでしょ!?」
もしかして私……あの子たちに閉め出されちゃった?
「誰か、誰かーーっ!」
扉をドンドンと握りこぶしで思いきり叩いてみるも、扉の向こうは無反応。
こうなったら、スマホで誰かに連絡を……!
そう思ったけど、さっきスマホが入ったカバンごと金髪さんに持って行かれたことを思い出す。
最悪。これじゃあ、電話のひとつもできない。
私はフラフラと、扉のそばの壁に寄りかかる。
「……っ」
叫んで助けを求めようにも、この学校は山の上に建っているため、屋上の周りは山林が広がっていて。
辺りは、人の気配が全くない。
どっ、どうしよう……。