クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました


それから学食に行き、私が注文したパスタランチを手に席に着くと。


陽向が、友達と一緒に食堂へと入ってくるのが見えた。


「きゃあ、一之瀬くんだ」

「虹輝くんもいる〜」


周りの女子たちが、一斉にキャーキャー言い始める。


陽向と、その隣にいる男の子・水上(みずかみ)虹輝(こうき)くんは、私たち2年生女子のなかで大人気のモテ男子二人組。


学校の定期テストではいつも陽向と水上くんが1位と2位を独占し、二人とも2年生ながらバスケ部のエースで運動神経も抜群。


そして水上くんもまた、代々大きな病院を経営しているお金持ちの家の子で、彼は跡取り息子らしい。


「二人ともかっこいいねえ。目の保養だわ」


オムライスをモグモグしながら、うっとりとした目で陽向たちを見つめる天音ちゃん。


「それで、星奈は? 一之瀬くんに告白しないの?」

「へ!?」


天音ちゃんにいきなりそんなことを聞かれて、私は目をパチクリ。


「好きなんでしょう? 一之瀬くんのことが」

「どっ、どうしてそれを……」


中学入学を機に出会った天音ちゃんには、私が陽向と幼なじみだってことも、彼を好きだってことも話していないのに。
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