クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

ここに閉め出されて、どれくらいの時間が経ったのだろう。

気づいたら日が暮れて、辺りは真っ暗になっていた。


「ううっ、陽向……っ」


自分ではもうどうすることもできずに、不安でたまらない今。

真っ先に頭に浮かんだのは、陽向の顔だった。


「陽向に、会いたいよお……」


寒くて、ガクガクと身体の震えが止まらない。


頭もボーッとして、意識がだんだん朦朧としていく。


屋上はいつもは鍵がかかっていて、立ち入り禁止だから。


もしかしたら私……このまま誰にも見つからないまま、ここで死んじゃうのかな。


こんなことなら……陽向に好きだって、自分の気持ちを正直にちゃんと伝えておけば良かった。


心細くて、ついそんなことを考えてしまう。


それからも私がひとり、暗闇のなかでじっとうずくまっていると。


カチャカチャ。


扉のほうから、微かに物音がした。


えっ。もしかして、誰か来てくれた!?


そう思った次の瞬間──。
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