クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

そのあとすぐ『陽向のことが好きだなんて、ウソだ』と星奈に言われたときは、ハンマーで殴られたみたいにショックで。


一瞬で、天国から地獄に突き落とされたような気分になった。


俺は、こぶしを握りしめる。


星奈が、俺を好きじゃないって分かってるのに。俺が星奈のことを、一方的に好きでい続けても辛いだけから。


彼女への想いを断ち切るためにも、星奈とはもう関わらないようにしよう。


失恋直後のショックが大きかった俺は、そんなことを思ってしまった。


だから……。


このとき俺は、ただ感情のままに『星奈とはもう絶交だ』と、最低なことを言ってしまったんだ。


クラスの皆の前で、大々的に宣言してしまったからには、もう取り消すことはできなくて。


それ以来、俺は星奈のことを避けるようになり、いつしか本当に口も全くきかなくなってしまった。
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