クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました


「そんなの、星奈とずっと一緒にいたら分かるよ。さっき一之瀬くんが告白されてたときも、食い入るように見てたし」

「そっか。天音ちゃんにはバレちゃってたか」


私は、へへっと頭をコツンと拳で叩く。


「その通りだよ。ここだけの話、陽向とは幼なじみで」

「幼なじみだからってのんびりしてたら、そのうち一之瀬くんを誰かに取られちゃうかもよ?」

「それは嫌だな。でも、私はもうとっくに振られてるから」

「そうなの!?」

「実は……」


私は、小学生のときに陽向に絶交宣言されたこと。

そして、昨日の許嫁のことやカフェでの一件を天音ちゃんの耳元でこっそりと話した。


天音ちゃんは口が固いし、何より信頼できるって分かってるから。


「なるほど。ほんと、小学生って子どもだよね。でも、まだ可能性はあるんじゃないかな?」

「そう……なのかな?」


私に可能性なんて、あるのだろうか。


「でないと一之瀬くん、星奈にそのハンカチ貸してくれないと思うよ?」
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