クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
学校に着くと、まだ職員室に残っていた先生に事情を話し、校内をくまなく見てまわった。
それでも星奈は見つからず、ドクッドクッと心臓が嫌な音を立てだす。
「あと残すところは、屋上か」
「オレ職員室に行って、鍵借りてくるよ」
鍵は虹輝に任せて、俺と想良は先に屋上へと向かった。
屋上へと続く階段をのぼりきると、足が何かに当たった。
ん? なんだ?
「ねえ、陽向。これ、せーちゃんのカバンだよ!」
「想良、ほんとか!?」
「うん。だって、僕がこの前彼女にプレゼントした星のバレッタが、カバンについてるもん」
くそっ。それじゃあ星奈は、やっぱりこの扉の向こうに……!
「ヒナくんっ!」
俺が拳で扉をドンッと叩いたとき、鍵を持った虹輝がやって来た。
虹輝から鍵を受け取ると、俺は急いで扉を開ける。