クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
え? 許嫁を解消って……。
「どっ、どうして?!」
予告もなく突然告げられた私は、戸惑いを隠せない。
「そもそも許嫁って言っても、親が勝手に決めたことだし。中学生の俺には、結婚とかまだ考えられないから。そういうのは、正直困るっていうか」
そんな……。思いもよらぬ陽向の本音に、私は言葉を失う。
親に陽向が許嫁だと告げられてからは、彼と一緒に過ごす時間が増えて。
陽向と少しずつ、昔みたいに距離が縮まってきているように感じて嬉しかったのに。
許嫁のことを、陽向はそんなふうに思っていたの?
私の目には、じわじわと涙があふれてくる。