クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

「はぁっ、はぁ……星奈、やっと見つけた」


陽向はここまで全力で走ってきたのか、息が切れている。


「何だよ、陽向。僕は今、せーちゃんと大事な話をしてるんだ。邪魔しないでくれる?」

「俺だって、星奈に大事な話があるんだ」

「大事な話? ハッ。婚約を解消した人が、何を言ってるんだよ」


陽向とそーちゃんが、互いににらみ合う。


「想良、お前に星奈は絶対に渡さない」


すると、私は陽向に手をギュッと握られる。


「確かに、許嫁は解消したけど。俺はまだ、星奈の彼氏になることを諦めたワケじゃない」


陽向の言葉に、胸がドキッと跳ねる。


「俺は、星奈のことが好きだ」
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