クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「もしさっきみたいに、陽向に泣かされたりしたら。いつでも僕のところに来て良いからね」
私に向かって、そーちゃんがウインクする。
「そんなこと、絶対にさせねーよ」
先ほどからずっと私の手を握っている陽向の手に、力がこもる。
「それなら良いけど」
「ていうか想良。お前、いつまでここにいるんだよ」
「ハイハイ。それじゃ邪魔者は、退散しまーす。二人ともお幸せにね。シーユー!」
そーちゃんがこの場からいなくなった途端、辺りはシンと静まり返る。
「えっと……」
陽向と今ふたりきりだと思うと緊張して、胸の鼓動が一気に騒がしくなる。
「ちょっと、こっち来て」
「え!?」
私は陽向に手を引かれ、すぐそばの空き教室に連れて行かれる。
「ごめん。星奈からの返事は、やっぱり誰にも邪魔されない所で聞きたくて」
そうだ。私たち、さっきまで廊下にいたから。
「改めて言うけど。俺は、星奈のことが好きだ」
私を真っ直ぐ見つめる陽向の真剣な瞳に、ドクンと胸が高鳴る。
「だから、俺と付き合って欲しい」