クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

私は、目頭が熱くなる。


「今までずっと、好きだってなかなか素直に言えなくてごめんな」


彼の言葉に私は、首を何度も横に振る。


振られたとばかり思っていた陽向と、両想いだったなんて……まだ信じられないよ。


「星奈の気持ちも聞かせて?」

「わっ、私も……」


声だけでなく、足もガクガク震えるけど。


陽向が、精一杯伝えてくれたから。私も勇気を出して、彼にちゃんと自分の想いを伝えたいと思った。


「私も陽向のことが……好き」

「ほんとに?」

「うん。小学生のあのときは、みんなの前で男子にからかわれてつい、陽向が好きなのは嘘だって言ってしまったけど。本当はあの頃からずっと、陽向のことが好きだった」

「星奈……!」


陽向が私を優しく抱きしめる。


「俺いま、すっげー嬉しい。まさか、星奈と両想いだったなんて」


私も、陽向の背中にそっと腕をまわす。


「俺たち、ただお互い素直になれてないだけだったんだな」

「そうだね」

「さっき、想良が星奈に告白してるのを見たとき。星奈がオッケーしたらどうしようって、マジで焦った」


陽向の話を聞きながら、私はある疑問が頭に浮かぶ。


「でも、私を好きでいてくれてるのなら……どうして陽向は、私と許嫁を解消するって言ったの?」
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