クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「許嫁は解消するけど。それは決して、将来星奈と結婚したくないっていうことじゃない」
話しながら、何かを決意するような瞳。
「俺が大人になって、今よりも頼れる男になったら……そのときに、ちゃんと星奈にプロポーズさせて欲しい」
「陽向……っ」
「だから、ここは……それまで俺のために空けておいて?」
そうして陽向は私の左手を持ち上げると、薬指にチュッとキスをした。
「よし。これで予約完了だな」
よ、予約って……! 小さく笑う陽向に、かあっと頬が熱くなる。
予約なんてしなくても……私の左手の薬指は、この先もずっと陽向だけのモノなのに。
だけど、陽向の気持ちが何より嬉しくて。
薬指を見て、私は微笑む。