クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
う、うそ。陽向のお友達が……!
「ごめんね、澄野さん」
申し訳なさそうに眉を八の字にして、天音ちゃんの前の席に座る水上くん。
水上くんの少し茶色く染められた髪は、無造作にセットされていて。
初めてこんなに間近で見た彼は、中性的でキレイな顔立ちをしている。
「あっ、こうちゃんだー」
「これ、新発売のお菓子なんだけど。こうちゃんにあげる〜」
「えっ、いいの? ありがとうー!」
水上くんが、通りすがりの女の子たちからお菓子をもらっている。
「えへへ。お菓子もらっちゃったー」
水上くんは、いつも明るくニコニコしていて。
イケメンでお金持ちだけど親しみやすい雰囲気から、皆から『こうちゃん』と呼ばれている。