クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「うう……よりによって、一番苦手なバスケになるなんて」
「星奈、ドンマイ!」
私は卓球に立候補するも、希望者が多くジャンケンで負けてしまった。
「でも、良かったじゃない。愛しの一之瀬くんと同じバスケになれて」
天音ちゃんはそう言うけど……。
「それとこれとは別だよ」
バスケ部エースの陽向と水上くんは当然バスケに決まったらしく、エースの二人がいればウチのクラスの男子チームは優勝間違いなしだという声も聞こえてくる。
「おっ。星奈ちゃんもバスケなんだ? よろしくーっ!」
黒板のバスケの欄に書かれている名前を見た水上くんが、人懐っこい笑顔でパチンと私にハイタッチしてきた。
この間学食で握手をして以来、水上くんは私のことを下の名前で呼んでいる。
「バスケのみんな、頑張ろう」
水上くんは私以外のバスケメンバーになった子たちにも、ひとりひとりハイタッチしてまわっている。
ほんと誰に対しても気さくで、フレンドリーだなあ。
せっかく水上くんに、ハイタッチしてもらったんだもん。
男子と女子でチームは別々だけど、私も頑張らなきゃ。