クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

それから陽向と何度かパスを繰り返し、そのあとドリブルの練習をする。


「星奈。ドリブルも少しずつ上手くなってきてる」

「ほんと?」

「ああ。暗くなってきたし、最後にシュートの練習をしてから帰るか」


いよいよ肝心のシュートの練習だ。

私は、ゴクリと唾を飲み込む。


「俺、見てるから。一度やってみせて」


陽向に見られてるって思うと、緊張するなあ。私、ちゃんとシュートできるかな?


ドキドキと心臓が高鳴るなか私は深呼吸すると、バスケットゴール目がけてボールを投げる。


ところが、ボールはゴールに届かず。


もう一度挑んでみるも、ボールが変なところへと飛んでいってしまった。


ああ、また失敗……。私はガクッと肩を落とす。


「ごっ、ごめんね」

「なんで星奈が謝るんだよ」

「だって……下手すぎて、申し訳なくて」

「謝る必要ねえよ。星奈は、一度も弱音を吐くことなく一生懸命頑張ってるんだから」


陽向……。


「つーかお前、さっきから力みすぎ。もっと力抜けよ」


陽向が、私の背後へとやって来る。


「星奈」

「……!」


後ろに立つ陽向が私の手に触れて、身体がびくりと跳ねる。
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