クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
それから1時間半後。
「よし、できた」
私はキッチンのテーブルに炊きたてのご飯と味噌汁、それから今夜のメインであるハンバーグとポテトサラダがのったお皿を並べる。
「あっ、陽向!」
キッチンの開いた扉のそばを、陽向がちょうど横切るのが見えた。
「夕飯できたよ」
「夕飯……えっ、もしかして星奈が作ったのか?」
食卓を見て、目を丸くする陽向。
「陽向、小さい頃からハンバーグ好きでしょ?」
「べっ、別に好きじゃねえよ」
私から、顔をふいっとそらす陽向。
あれ、違ったっけ?
朝陽おじさんの好物がハンバーグで、昔はよく陽向ママの作るハンバーグを、親子で競うように食べているのを何回か見たんだけど。
「ったく。俺は、夕飯は作らなくて良いって言ったのに」