クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

夕食後。私は今、キッチンで洗い物をしている。


あのあと陽向は、ご飯をおかわりしてくれて。夕飯は、残さずきれいに食べてくれた。


自分が頑張って作ったご飯を、好きな人に完食してもらえるのって、こんなにも嬉しいものなんだな。


陽向がハンバーグを『美味しい』って言ってくれたときのことを思い出し、ひとりにやけていると。


バタバタバタ……と、窓の外で音がしてくる。


なに?


気になって、そっとカーテンを開けて見ると。


「えっ、雨?」


いつの間にか空からは、滝のような雨が降り注いでいた。


そして遠くの空にはピカッと稲妻が走るのが見え、私は慌ててカーテンを閉める。


ゴロゴロゴロッ!


「きゃっ!」


大きな音をたてて鳴り響く雷に、私は肩がビクッと跳ねる。


やだやだ。雷、怖いよ……。


私は小さい頃から雷が大の苦手で、思わず涙目になる。
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