クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
停電なんて初めてで。こんなとき、どうしたら良いのか分からない。
しかもここは、我が家ではなく陽向の家。
ドーーン!!
「うっう……」
雷も一向に鳴り止まず、真っ暗な部屋にひとりで、ますます不安になったそのとき──。
「星奈っ!!」
スマホのライトで辺りを照らしながら、陽向が慌ててキッチンに入ってきた。
「星奈、さっき悲鳴が聞こえたけど大丈夫か!?」
「陽向……っ!」
不安のあまり、こちらにやって来た陽向に伸ばしかけた手を私は引っ込める。
いくら雷が怖かったからって、陽向に迷惑をかけちゃダメだ。
「だっ、大丈夫だよ……」
「大丈夫ってお前、ガキの頃から雷苦手だっただろ!? こんなに震えて、全然大丈夫じゃねえだろう」
そう言うと陽向は私を優しく引き寄せ、ギュッと力強く抱きしめてくる。