クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

陽向のぬくもりを感じてドキドキするのと同時に、ものすごくホッとする。


「陽向……私、本当はさっきからずっと怖かったの」


私はようやく陽向に本音を言い、彼の背中にそっと手をまわす。


「そうか。俺がいるから、大丈夫だ」

「うん……っ」


そして陽向は安心させるように、私の背中をトントンと優しく何度も叩いてくれる。


そばに陽向がいてくれると思うと、心強くて。不安な気持ちが、少しずつ薄れていく。


もし今頃我が家にひとりだったら、停電と雷の鳴るなかでもっと心細かったに違いない。


そう思うと、陽向がいてくれて本当に良かった。


それからしばらく電気がつくまでの間、私と陽向はお互い抱きしめ合っていたのだった。
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