クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
私も負けじとボールを追いかけ、それからも攻防戦が続く。
両チームともこれ以上相手に点を取らせまいと、みんな必死だ。
「澄野さん!」
再びチームメイトからパスされた私は、ドリブルをして味方の子にパスを回そうとするが……。
「星奈、もう時間がないからそのままシュートして!」
「え。わ、私が!?」
天音ちゃんに言われて得点板のほうを見ると、試合時間は残り30秒を切っている。
「星奈が今、一番ゴールに近いから!」
確かに。ゴールは今、私の目と鼻の先。
こんな大事な局面でシュートをして、もしちゃんと決められなかったらと思うと怖い。
心臓も、バクバク鳴ってうるさい。
でも……大丈夫。陽向に教えてもらったとおりに、やれば良いんだ。
覚悟を決めた私は、その場でシュートの体制に入る。
えっと、肩や肘はリラックスさせて。
ゴールをしっかりと見据えて、狙いを定める。
そしてあとは、自分を信じるのみ……!
大丈夫。私なら、きっとできる。
陽向に教えてもらったことを思い出しながら私は、バスケットゴールに向かって思い切りシュートした。
お願い、入って──!