クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
──スパッ。
私が放ったボールは、ゴールへと綺麗に吸い込まれていった。
「わああああ!」
その瞬間、体育館には歓声と拍手が巻き起こる。
ピピーーッ!
そしてすぐに、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。
「キャー、星奈ーッ!!」
「ナイスシュート!!」
天音ちゃんやチームの子たちが、勢いよく私に抱きついてくる。
かっ、勝った……?
私、シュートが決まったんだ!
やったあ!
天音ちゃんに抱きしめられながら私がふと、観客のほうに目をやると。
陽向が真っ直ぐこちらを見ていた。
口を大きく動かして、何かを伝えてくれている。
「お め で と う」
「……っ!」
──『おめでとう』
好きな人からの祝福は、人一倍嬉しくて。
私は陽向に微笑むと、ピースサインをした。
私がこうしてシュートを決められたのも、陽向のお陰だよ。
* * *
それから私たちは、その後の試合も懸命に戦った。
だけど、私のチームは決勝戦で負けてしまい、惜しくも準優勝という結果に終わった。
でも、陽向と秘密の特訓をしたり。水上くんの変顔で、試合前の緊張を和らげてもらったりして。
天音ちゃんやチームのみんなと一生懸命戦ったこの球技大会は、私にとって忘れられない思い出となった。