クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

そして、昼休み。


「せーいーちゃんっ!」


チャイムが鳴るのとほぼ同時に、そーちゃんが私の席へとやって来た。


「ねえ。約束どおり、校内を案内してくれる?」

「あっ、うん。いいよ」

「あと、良かったら僕と一緒にランチしない?」


ランチか……。

私は、天音ちゃんのほうへと目をやる。

いつも昼休みは、天音ちゃんと一緒にご飯を食べてるから。


「ねぇ、そーちゃん。良かったら、天音ちゃんも一緒に良い? 私の友達なんだけど」

「せーちゃんの友達? もちろんだよ」


そーちゃんがニッコリ笑う。


「せっかくだけど星奈。あたし、今回は遠慮しとく」

「えっ、天音ちゃんどうして?」

「だって、想良くんの邪魔しちゃ悪いもん」


え、そーちゃんの邪魔??


「あたし、星奈の恋を応援したいけど。なんか想良くんのことも、応援したくなっちゃった。こうも分かりやすくストレートな男子、悪くないわ。推せる」


ウンウンと、ひとりで頷く天音ちゃん。


「積もる話もあるだろうし。今日はふたりで楽しんでよ」

「サンキュー、山下さん」

「いいえ。という訳で、ふたりとも行ってらっしゃい!」


よく分からないまま、私は天音ちゃんに元気よく見送られ、そーちゃんと教室を出た。
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