クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
8.懐かしいふたり
放課後。
「ごめんね、天音ちゃん。手伝ってもらっちゃって」
「いいよ。あの先生、ほんと人使い荒いんだから」
私は担任の先生に、授業で集めた課題ノートを職員室まで運ぶように頼まれたんだけど。
天音ちゃんが、一緒に運ぶのを手伝ってくれたんだ。
職員室からの帰り道。私が天音ちゃんと一緒に、昇降口へと向かって歩いていると。
「キャー!」
何やら体育館のほうから、歓声が聞こえてきた。
「えっ、何? あの声」
声を聞いた天音ちゃんが、目を丸くする。
放課後、陽向や水上くんのいるバスケ部の練習を見にいく女子は多くて。
体育館から今みたいな歓声が聞こえるのも、決して珍しいことではないんだけど。
今日はその声が、いつもよりも一段と大きい気がする。
「ねえ。想良くん、バスケ部に入部したらしいよ」
「そうなの?」
「うん。さっそく今日から、練習に参加するんだって!」
私たちを後ろから追い抜いた同じ2年生の女子たちが、体育館へと駆けていく。
そーちゃん、バスケ部に入ったんだ。
「ねえ、星奈。あたしたちも、ちょっと見に行こうよ」
「え!?」