クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「陽向、こっち!」
コート内では、紅白戦が繰り広げられているようだった。
そーちゃんの掛け声に、陽向が彼に勢いよくパスを出す。
ボールを受け取ったそーちゃんは、軽やかにドリブルをして駆けていく。
そーちゃんは、敵チームである水上くんからのディフェンスをあっさり交わし、一気にゴール下までまわり込む。
ダンッ!
そして、そーちゃんはリングに向かってジャンプをし、上からたたきこむようにボールを入れた。
「きゃあああ」
途端にあがる、黄色い声。
「何あれ、すごっ!」
「想良くん、かっこいい〜!」
私の隣にいる天音ちゃんとアサミちゃんも、そーちゃんに釘付けだ。
かくいう私も、そのうちの一人だけど。
そーちゃんは、動きが素早くて。
ゴール下に走り込む度に、必ずシュートを決めた。
すごい……!
素人の私から見ても、そーちゃんはずば抜けてバスケが上手だってことが分かる。