クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
疑問に思った瞬間、バスケ部の隣で練習をしていたバレーボール部のボールがこっちに向かって飛んできた。
えっ……!
反応が遅れてしまった私はすぐに動くことができず、バレーボールがおでこに直撃する。
「痛っ……」
私はおでこを手でおさえて、その場にしゃがみこむ。
まさか、バレーボールが飛んでくるなんて。
「澄野さん……! ごっ、ごめん!!」
私にボールを当てたらしい同じ2年生のバレー部の女の子が、青ざめた顔で私に必死に謝ってくる。
ちょっと痛むけど。特に血が出たりもしていないし。
今にも泣きそうな顔をしている女の子に私は「大丈夫だよ」と言い、笑ってみせる。
「本当にごめんなさい!」
女の子は申し訳なさそうにもう一度謝ると、部活へと戻って行った。
「せーちゃん!」
「星奈ちゃんっ!」
女の子と入れ替わるように、そーちゃんと水上くんがこちらに向かって走ってくる。