クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

「えっ、陽向!?」


離れたところで練習をしていたはずの陽向が、いつの間にかすぐ目の前に立っていて。


「痛むんだろ? 保健室行くぞ」


どうして陽向がここにいるんだと思っているうちに、彼の手が私の背中にまわって体がふわりと宙に浮いた。


えっ、え!?


「キャーッ!」


その途端、先ほどの紅白戦のときよりも一際高い声が体育館中に響き渡る。


うそ、やだ。これってもしかして、お姫様抱っこ!?


「ちょっと、陽向……おろして!」


お姫様抱っこなんて恥ずかしくて。陽向から離れようと、私は抵抗する。

だけど、陽向にガッチリと押さえられていてビクともしない。
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