クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
︎︎︎︎9.水上くんと図書室
5月下旬の、ある日の休み時間。
「一之瀬くん、相変わらず超イケメン」
「想良くんとこうちゃんも、やばい」
「さすが、TOP3だね」
今日も、私たち2年7組の教室は女の子たちで溢れ返っている。
そーちゃんが転校してきてからというもの、うちのクラスにイケメン鑑賞にやってくる女の子の数がめちゃくちゃ増えた。
転校初日にバスケ部に入部したそーちゃんは、先日行われた中間テストでは陽向に次ぐ2位だった。
陽向、水上くん。そして、そーちゃん。
イケメンの3人が同じクラスで、みんなバスケ部。
さらに、成績も学年で上位3位以内であることから、彼らはいつしか『TOP3』とひとくくりで呼ばれるようになったんだ。
私は、窓際で友達と話している陽向に目をやる。
そーちゃんが転校してきたことで、成績の順位はわずかに変動があったけれど。
陽向の成績学年首位だけは、1年の頃から今もずっと変わらずで。
我が幼なじみながら、陽向ってほんとすごいなって思う。
ボーッと陽向のことをしばらく見つめていると、ふいに彼が視線をこちらに向けた。
わわわっ!
私は慌てて、陽向から目をそらす。