クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました


ひいっ。


「あのさ、分かってると思うけど。俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ?」

「わっ、分かってるよ……」


許嫁どころか、陽向と幼なじみだってことも学校では誰にも言ってないし。

中学2年生になって陽向と同じクラスになってからも、学校で陽向とはまだ一度も話していないのだから。


「……」


それから再び、私たちの間には沈黙が流れる。


少しでも陽向との仲を取り戻したいと思って、勇気を出して話しかけてみたけど。


やっぱり、もう昔みたいな関係には戻れないのかな。


「つーか、そのケーキ食べないの?」

「たっ、食べるよ!」


突然陽向に言われて、私は慌ててショートケーキを口にする。
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