クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
放課後。私は、図書室に来ていた。
先日の中間テストの結果が、前回よりも落ちちゃったから。
図書室の自習スペースで、少し勉強してから帰ろうと思ったんだ。
これでも私は、陽向の許嫁だから。
そのことは、学校では内緒だけど。
許嫁である限り、成績学年首位の陽向の横に並んでも、彼に恥ずかしいって思われないようになりたいと思った。
「えっと。X=……」
利用者の少ない静かな図書室で、私がひとり数学の問題集を広げてカリカリとシャーペンを走らせていると。
「あれ? 星奈ちゃん?」
ノートに人影ができて顔を上げると、そこに立っていたのは水上くんだった。