クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

……え?


「ていうか実はオレ、前からずっと気になってたんだよね。星奈ちゃんのことが」


えっ、え!?


「気になってた? みっ、水上くんが、私のことを!?」


だってそんな素振り、今まで一度も……。


「うん。可愛くていい子だなって、前から思ってたよ。球技大会のときとか、普段からちょこちょこアピールはしてるつもりだったんだけど」

「あっ」


──『ねぇ、星奈ちゃん。オレ、今日の球技大会頑張るからさ』

──『オレのこと、星奈ちゃんにちゃんと見てて欲しいな』


そうか。あのときの彼の言葉は、そういうことだったんだ。


「まあ、その様子じゃ伝わってなかったみたいだね?」

「ごっ、ごめ……」

「いいよ。そういうちょっと鈍いところも含めて、可愛いなって思うから」


うっ。水上くんったら、またそんな甘い言葉をさらっと。


「星奈ちゃんのことが好きな男子は多いから。オレ、この気持ちはキミに伝えないでおこうって思ってたんだけど。つい、口が滑っちゃった。ダメだなぁ」


てへっと、可愛く笑う水上くん。


「でも、この気持ちは嘘じゃない。オレは、本当に星奈ちゃんが好きだよ」


可愛い笑顔から一変。

水上くんが、今度はとても真剣な顔つきになる。
< 95 / 170 >

この作品をシェア

pagetop