クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
「えっと……」
水上くんの予想外の言葉の連続に、私は頭がパンクしそうになる。
でも、彼が決して冗談で言ってるわけではないってことは、ちゃんと伝わってくるから。
私は陽向が好きだってことを、水上くんにハッキリと言うべきなのか。
だけど、それだと水上くんを傷つけてしまうんじゃないかとも思ってしまって。
すぐに、言葉が出てこない。
「あの、水上くん。私……っ」
「大丈夫。星奈ちゃんの気持ちは、分かってるから。オレはただ、こうして星奈ちゃんに自分の気持ちを伝えられただけで満足だよ」
「ごめん……ありがとう、水上くん」
「ううん。それじゃあこれからも、オレたちは変わらず “友達” ってことで。よろしく」
「もちろんだよ」
「さてと。おしゃべりはここまでにして。今から数学、頑張ろう」
そう言って水上くんは、何事もなかったように数学の問題集に取り組みはじめる。
水上くんは『友達』って言ってくれたけど。
全く思ってもみなかった水上くんの告白は、私にとってはけっこう衝撃的で。
そのことが、しばらく頭から離れなくて。
この日私は、なかなか勉強に集中できなかった。