続・泣き虫の凛ちゃんがヤクザになっていた2

5話

 今朝の四時頃、凛ちゃんのスマホの着信音が鳴った。
 凛ちゃんは寝起きだというのに、慌てた様子でスマホ片手に寝室から出て行く。
 私も着信音に起こされてリビングへ向かうと、凛ちゃんが誰かと電話をしていた。
 電話を終えた凛ちゃんに「どうしたの?」と尋ねると、「ごめん、起こしたか」と困ったような顔をする。

 ――ちょっと急用が出来たんだ。悪いんだが、今日は車で送ってやれない。帰りも難しそうだ……。

 申し訳なさそうな顔をする凛ちゃんに、私は「気にしなくていいよ」と返した。

 まだ日が昇っていない時間に「急用」と言われると、普通は疑問に思うはずだ。しかし、私は前日に和住さんから、組長の話を聞いていたため、何となく事情を察していた。
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