続・泣き虫の凛ちゃんがヤクザになっていた2
 俺が苦い思い出に浸っていると、幸希はそっと優しく俺を抱きしめた。
「何だよ、急に……」
「子供の頃、怖い夢を見た時、よくお母さんがこうやって抱きしめてくれたの。そしたら安心したから、凛ちゃんも安心するかなって……」
 俺は気恥ずかしくなって、「ガキ扱いすんじゃねぇよ」と吐き捨てた。
「でも、怖い夢って、大人になってもすごく恐ろしいでしょ?」
 幸希は子供をあやすような口調でそう言うと、俺を抱きしめながら優しく頭を撫でてくれた。
 不覚にも、俺は幸希の温もりに安心感を覚えた。
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