狂おしいほどに、抱きしめて〜エリート社長と蕩けるような甘い蜜愛〜
「栗花落。髪を上げて」

翔に背中を向けると、栗花落は鎖骨辺りまで伸びた茶髪を持ち上げて、首筋を見せる。
翔は背後からネックレスを首にかけると、静かにホックを留めて、栗花落の肩に手を乗せた。

「鏡、見る?」
「……うん」

栗花落が頷くと、翔は書斎の引き出しからミラーを取り出す。
それを栗花落の前に置いて、二人で見つめた。

「わ~……。綺麗」
真珠が照明に反射して、キラリと輝く。
大きな一粒が胸元でいやらしくなく主張して、大人っぽさを感じさせた。

「アクセサリー、あまり習慣がなかったですが、良いですね」

しかも、これはプレゼントだ。
自分でご褒美に買ったものとはわけが違う。

(社長、優しくて、紳士で、仕事ができて、おまけに趣味も良いって、どういうこと!?)

「ああ。このネックレスを栗花落がしてるなんて……感慨深いな」
「えっ?」

翔は感動で泣きそうな顔をして、右拳を鼻に当てる。

「それ、二年前に購入したんだ。このまま引き出しの肥やしになるんじゃないかって、正直諦めていた」

「そんな前から……」

栗花落は三年間彼氏がいたから、翔は言い寄ることができなかったのだろう。

「あの。いつ、私のことを好きになったんですか?」

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