狂おしいほどに、抱きしめて〜エリート社長と蕩けるような甘い蜜愛〜
第3話 社長の溺愛が止まりません!
――――三日後。

周囲の目があるオフィスの中で、彩絵が栗花落に攻撃することは一切なかった。

仕事で分からないことがあれば、普通の顔をして質問してくるし、下書きに作成したメールの確認だって依頼してきた。
上司から何気なく話し掛けられたら、一緒に輪の中に入って笑顔まで見せてくる始末だ。

(その根性の図太さ、どうなってるの? まさか、私に話しかけてくるなんて……!)

彼女は顔色を変えることもなく、普通のOLとして、テキパキと仕事をこなしている。
仕事ができていなかったら、ネチネチと怒ることもできたが、彼女は仕事に関してはひたむきに、誠実に行う女性だ。
特段指摘や怒ることもなく、今まで通りの日常がそこにはあった。

(まだ、勝と付き合ってるのかな? それとも、私と勝を破談に追い込んだから、満足して捨てた?)

考えただけで、イライラする。
同じ空気を吸いたくないし、教育係なんて今すぐにでも辞めたいくらいだ。
……なんて、彩絵のことを考えると、栗花落自身のQOLがとてつもなく下がる。

だから、これ以上は考えたくない。
でも、この環境で働いていると、どうしても考えてしまうのもまた事実だ。

ブブッ

不意に通知を知らせたスマホを確認すると、そこには翔からのメッセージが届いている。
翔とは執務室の一件があった日に貰った宛先をすぐに登録し、メッセージアプリで定期的に連絡を取り合うようになった。
平日の昼間はあまりメッセージのやり取りはしないが、今日は何か言いたいことがあったようだ。

『今日、残業なしで上がれそうなんだ。栗花落はどう?』

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