狂おしいほどに、抱きしめて〜エリート社長と蕩けるような甘い蜜愛〜
「そうか。教えてくれてありがとう。栗花落の傷ついた心が少しでも癒やされたのだとしたら、俺は嬉しいよ」
「あ。でも、勝からは謝罪がありません。ほんと、なんなんですかね~! あの人、ただ狼狽えるだけで」
「きちんと処遇は下す。謝罪がないということは、より重い判断にするということになるが」
「ええ。もう、バシッと印籠つきつけちゃってください! その方が、スッキリしますから!」
勝に対する怒りは、まだ正直なところ、収まらない。
だが、彩絵の件と同じで、これ以上気持ちを荒立てたくないというのが本音だ。
勝のことなんてさっさと忘れて、今この時間を大切にしよう。今は、切にそう思っている。
「ところで、翔さんのご自宅ってどの方面ですか? 私と乗る電車、違うのかな?」
そろそろ駅に到着というところで、路線の確認をする。
「駅? 俺は恵比寿に住んでるよ」
「恵比寿!? 方面、逆ですね……」
恵比寿なんて高級住宅街に住んでいる人が、こんなにも近くに居たことに驚く。
(いや、でも社長だもんね……。そのくらいの役員報酬は貰ってるか)
栗花落は話を続けた。
「翔さんの家って、どんなところ?」
すると、翔は恥ずかしそうにポリポリと頬を掻く。
「どんなところって……まぁ、普通かな」
「普通って?」
「普通というか、そうだな……」
もごもごと何かを言おうとするも、翔は口を噤む。
しかし、何かを決意したように顔を上げると、彼は言った。
「今年、新しいマンションを購入したんだ。そろそろ結婚も視野に入れたいなと思って、3LDKの」
「えっ? そんな広いところで、一人暮らしを?」
栗花落が目を丸くさせると、翔はハハッと笑う。
「気が早いよな。栗花落と二人で住めたらなって、告白もできてないのに買ってしまった」
「!」
(そんなにも前から、私との人生を思い描いてくれていたの?)
「……ふふっ」
彼の底なしの愛に、いつも救われてきた。
これから先も、ずっと翔と一緒に居たい。
その気持ちは、今もこの先も、絶対に変わることはないのだ。
(こんなにも私のことを愛してくれる人は、きっと翔さんしかいない……)
栗花落は、勇気を出して声に出した。
「私、翔さんの家に行ってみたいです!」
栗花落の提案に、翔は露骨にたじろぐ。
「家っ? 今日か?」
「……ダメ、ですか?」
上目遣いに問いかけると、翔はむっ! と顔を硬直させる。
「だ、ダメというわけではないが……」
あまりにも急すぎただろうか。
でも、いつもの自然体な翔の暮らしを、この目で確かめてみたい気持ちがある。
「じゃあ、今から行きましょう? ね?」
きっと、栗花落がその気になったことに、翔も気づいたのだろう。
彼は身体の力を抜くと、小さく笑った。
「まさか、栗花落が俺の家に来てくれるとはな……」
「だって、どんなところか興味津々ですから!」
すると、翔は栗花落の左手を右手で握りしめて、恋人繋ぎをする。
指を絡めて、彼はそっと微笑むと、栗花落に言った。
「行こうか。栗花落」
栗花落は、満面の笑みで頷いた。
「はいっ!」
「あ。でも、勝からは謝罪がありません。ほんと、なんなんですかね~! あの人、ただ狼狽えるだけで」
「きちんと処遇は下す。謝罪がないということは、より重い判断にするということになるが」
「ええ。もう、バシッと印籠つきつけちゃってください! その方が、スッキリしますから!」
勝に対する怒りは、まだ正直なところ、収まらない。
だが、彩絵の件と同じで、これ以上気持ちを荒立てたくないというのが本音だ。
勝のことなんてさっさと忘れて、今この時間を大切にしよう。今は、切にそう思っている。
「ところで、翔さんのご自宅ってどの方面ですか? 私と乗る電車、違うのかな?」
そろそろ駅に到着というところで、路線の確認をする。
「駅? 俺は恵比寿に住んでるよ」
「恵比寿!? 方面、逆ですね……」
恵比寿なんて高級住宅街に住んでいる人が、こんなにも近くに居たことに驚く。
(いや、でも社長だもんね……。そのくらいの役員報酬は貰ってるか)
栗花落は話を続けた。
「翔さんの家って、どんなところ?」
すると、翔は恥ずかしそうにポリポリと頬を掻く。
「どんなところって……まぁ、普通かな」
「普通って?」
「普通というか、そうだな……」
もごもごと何かを言おうとするも、翔は口を噤む。
しかし、何かを決意したように顔を上げると、彼は言った。
「今年、新しいマンションを購入したんだ。そろそろ結婚も視野に入れたいなと思って、3LDKの」
「えっ? そんな広いところで、一人暮らしを?」
栗花落が目を丸くさせると、翔はハハッと笑う。
「気が早いよな。栗花落と二人で住めたらなって、告白もできてないのに買ってしまった」
「!」
(そんなにも前から、私との人生を思い描いてくれていたの?)
「……ふふっ」
彼の底なしの愛に、いつも救われてきた。
これから先も、ずっと翔と一緒に居たい。
その気持ちは、今もこの先も、絶対に変わることはないのだ。
(こんなにも私のことを愛してくれる人は、きっと翔さんしかいない……)
栗花落は、勇気を出して声に出した。
「私、翔さんの家に行ってみたいです!」
栗花落の提案に、翔は露骨にたじろぐ。
「家っ? 今日か?」
「……ダメ、ですか?」
上目遣いに問いかけると、翔はむっ! と顔を硬直させる。
「だ、ダメというわけではないが……」
あまりにも急すぎただろうか。
でも、いつもの自然体な翔の暮らしを、この目で確かめてみたい気持ちがある。
「じゃあ、今から行きましょう? ね?」
きっと、栗花落がその気になったことに、翔も気づいたのだろう。
彼は身体の力を抜くと、小さく笑った。
「まさか、栗花落が俺の家に来てくれるとはな……」
「だって、どんなところか興味津々ですから!」
すると、翔は栗花落の左手を右手で握りしめて、恋人繋ぎをする。
指を絡めて、彼はそっと微笑むと、栗花落に言った。
「行こうか。栗花落」
栗花落は、満面の笑みで頷いた。
「はいっ!」