狂おしいほどに、抱きしめて〜エリート社長と蕩けるような甘い蜜愛〜
(ああ。このまま……ずっと一緒に居たい)

栗花落は顔を上げて、大きく頷いた。

「分かりました。私、ここで暮らします!」

栗花落が思い切り笑顔の花を咲かせると、翔は安堵したように笑う。

「あ、ああ……、良かった。栗花落に、断られなかった」

ふふっ。
栗花落は笑う。

「当たり前でしょう? 私だって、翔さんとずっと一緒に居たいんですから」

すると、翔は栗花落を正面から抱きしめて、ぎゅっと身体を寄せる。
そして首筋に顔を埋めると、願うように囁いた。

「栗花落……。もう、離れたくない」

それは、栗花落も同じだ。
栗花落は翔の背中に手を回して、静かに頷いた。

「離れません。ずっと、一緒ですよ」

そんな言葉とともに、栗花落は翔の頬にキスをする。
そして、翔が顔を上げるなり、二人は求め合うように口づけを交わした。

「栗花落……」
「……翔」

ようやく、彼のことを『さん』付けしないで、呼べた。
きっと、感情が昂っているのだろう。
彼の一番になれたことに対する喜びが、全身を駆け巡っている。

「朝まで、一緒に居てくれる?」

彼の願いに、栗花落は笑みを浮かべた。

「はい。一緒に居ましょう?」

そんな約束をして、翔に腕を引かれる。
連れていかれたのは、彼の寝室だ。
ベッドはキングサイズでとても大きく、枕は右の片側にしか置かれていない。
もしかしたら、このベッドも、栗花落と一緒に暮した時のために用意しておいたのかもしれない。

(ふふっ。せっかちさん。告白するより先に、ベッドを購入しちゃうなんて)

けれど、その用意周到さに助けられ、広々とこのベッドの上で二人は重なり合える。
翔に押し倒された栗花落は、彼の目をじっと見つめた。
すると、彼は恥ずかしそうに一瞬目を逸らすも、クスッと笑ってからこちらを見つめる。

「ああ。また、栗花落と目が合った」

それが心から嬉しいのか、翔の笑みは喜びが滲み出ている。
自然と頬が高揚して、互いの顔が紅に染まった。
額に汗がつうっと流れ、彼の身体の熱がこちらに伝わってくる。

(繋がっていたい。心も、身体も全部……)

今、この瞬間──栗花落の願いと、翔の願いは同じだ。
同じ時間を過ごしたい。
同じ瞬間を共有したい。
そして……その身体が、猛烈に欲しい。

「大好き。愛してる」

翔の囁きに、栗花落も続けた。

「――――私もだよ。翔」

きっと、これからも幾度となくこうして、互いを求め合う。
そんな毎日が、きっと掛け替えのないものとなり、大切なものとなっていくだろう。

二人は甘いキスをして、腰に手を回す。
そして、互いの衣服を脱ぎ合うと、その身体を蕩けるように重ね合った。

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