狂おしいほどに、抱きしめて〜エリート社長と蕩けるような甘い蜜愛〜
飛び出してくるように扉を開けた翔は、そわそわと落ち着きのない様子で栗花落の前に現れる。

「身体は大丈夫か?」

「うん。まだ痛いけど……」

「あ、これが、赤ちゃん?」

「そうだよ。翔も抱いてみる?」

栗花落は翔に桜を渡すと、彼は食い入るようにその顔を見つめて、ふにゃりと微笑んだ。

「あ、栗花落に似てるな」

「え、嘘。私は翔に似てると思ったんだけど」
「そうか? 目元とか、栗花落にそっくりだと思うけど」

「ふふっ。まぁ、私たちの子なんだから、どっち似でもいいよね」
「そうだな」

ハハッ。
二人で笑い合って、翔は桜の頬をぷにぷにと触る。

「生まれてきてくれて、ありがとう。桜」

「これから子育て、一緒に頑張ろうね?」

栗花落がそう言うと、翔は笑顔で頷いた。

「ああ。助け合って、これからも生きていこう」

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