一途なショコラティエの溺愛にとろけているので、六股幼馴染の束縛はお断り!
「……お心遣い、感謝いたします……」
――落ち込んで、無理かもなんて思っちゃ駄目。
大丈夫って、前向きな気持ちでいれば……。
いつかはきっと、夢が現実になるかもしれない……!
――頑張ろう。
お金をたくさん貯めて、チョコを買えば……きっと……。
私の名前くらいは覚えて、呼んで貰えるかもしれないのだから……!
「またのご来店を、お待ちしております」
そうして私は、チョコレートのような甘くてほろ苦い恋をして――。
邪な思いを抱きながら、ショコラ・ドゥ・マテリーゼの常連として、週一ペースで通い詰めるのだった。