一途なショコラティエの溺愛にとろけているので、六股幼馴染の束縛はお断り!
「おい! 俺の香菜がなんで、知らねぇ男の膝上に頭を乗せているんだよ……!」
せっかく愛する人に優しくされて、幸せな気持ちで意識を手放したのに――大嫌いな男の怒声で夢から覚めるなんて、最悪な気分だ。
「香菜と俺が、交際しているからに決まっている」
「はぁ!? 香菜は俺のもんだ! ぽっと出男はすっこんでろよ!」
「黙れ、束縛五股男。複数の女性を誑かしておきながら、香菜を求めるとは……恥を知れ!」
私の頭上では、智広さん怒り狂っていた。
これほどまで大きな声を上げる彼を見たことがなくて、私は両手でゆっくりと彼の大きな右手を外す。
「……すまない。起こしてしまった……」
「智広さんのせいでは、ありません……」
「香菜!」
女性達の声は聞こえなくなったけれど、忌々しい男の声を耳にするくらいだったら、前者のほうがよっぽどマシだ。
ゆっくりと智広さんの膝上から上半身を起こした私は、幼馴染を睨みつけた。
「関係を絶ちたい女性達に、私の名前を使って破局を告げないでください。迷惑です」
「おい、香菜……。何言ってんだよ……?」
「私がいつ、あなたの彼女になったのですか」
「先週だ! 病院の談話室で、飲みものを買いにいく前! 告白を了承してくれたじゃねぇか!」
「……告白……?」
思いがけない直也の言葉に、ぽかんと口を開いて考える。
『俺と、付き合えよ』
直也の中では、交際の申し出だったらしい。
通りで大喜びしていたはずだ。
せっかく愛する人に優しくされて、幸せな気持ちで意識を手放したのに――大嫌いな男の怒声で夢から覚めるなんて、最悪な気分だ。
「香菜と俺が、交際しているからに決まっている」
「はぁ!? 香菜は俺のもんだ! ぽっと出男はすっこんでろよ!」
「黙れ、束縛五股男。複数の女性を誑かしておきながら、香菜を求めるとは……恥を知れ!」
私の頭上では、智広さん怒り狂っていた。
これほどまで大きな声を上げる彼を見たことがなくて、私は両手でゆっくりと彼の大きな右手を外す。
「……すまない。起こしてしまった……」
「智広さんのせいでは、ありません……」
「香菜!」
女性達の声は聞こえなくなったけれど、忌々しい男の声を耳にするくらいだったら、前者のほうがよっぽどマシだ。
ゆっくりと智広さんの膝上から上半身を起こした私は、幼馴染を睨みつけた。
「関係を絶ちたい女性達に、私の名前を使って破局を告げないでください。迷惑です」
「おい、香菜……。何言ってんだよ……?」
「私がいつ、あなたの彼女になったのですか」
「先週だ! 病院の談話室で、飲みものを買いにいく前! 告白を了承してくれたじゃねぇか!」
「……告白……?」
思いがけない直也の言葉に、ぽかんと口を開いて考える。
『俺と、付き合えよ』
直也の中では、交際の申し出だったらしい。
通りで大喜びしていたはずだ。