この空の下で君への想いを叫ぶ



「王子ー!明日バスケ部の助っ人出るんでしょ?うちらで応援行くからね!」


「もう垂れ幕も作ってあるんだ!」


「あはは、ありがとう」



莉央と帰ろうと放課後の廊下を歩いていると、なぜか階段の前に人だかりができていた。


その中心にいるのは、クラス分なのかたくさんのノートを抱えた黒髪の男の子が…。



「なにあれ?」


「ん?ああ、隣のクラスの王子じゃん」



莉央の口から聞き慣れない言葉が聞こえてきて、思わず「王子?」と繰り返す。



「空、知らないの?成績優秀、スポーツ万能、先生と生徒から厚い信頼を集めてる一ノ瀬弓弦(いちのせゆづる)。完璧な上優しいし、女子たちからは“理想の王子様”ってことで王子って呼ばれてんの」
< 110 / 179 >

この作品をシェア

pagetop