この空の下で君への想いを叫ぶ

「…やっぱり、ここにいたんだね」



放課後の文化祭準備に小坂くんはいつも参加しないでどこかに行ってしまっていた。


きっとそれは屋上なのだとなんとなく気づいていて、だからこそ高城さんのこともここに連れてきたんだ。


気にかけてくれた小坂くんに、高城さんとちゃんと向き合う姿を見せてあげたかったから。



「…なんだよ、いること気づいてたのかよ」


「なんとなくいると思ってただけだよ。私ね、素敵な理由なんてなくたって、自分の名前を好きになっていく努力をしようと思うんだ。弱い自分のせいでせっかくできた大切な友達を失うなんて嫌だから」


「…そう」



小坂くんは軽く伸びをすると、立ち上がった。



「どこ行くの？」


「帰る。文化祭とか興味ないし、あんたが来たから寝れなくなったしな」