夏の出会いは素敵な恋の予感～超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む～

夢のようなサプライズ

　グレースホテル東京――


　超一流ホテルの大広間で行われているのは、「星宮グループ40周年記念パーティー」だ。


　このパーティーは、星宮グループ創業者「星宮 正孝」の誕生祝いも兼ねた盛大なものになっていた。
　テーブルを囲み、談笑している招待客は、みなタキシードやスーツ姿、各界の著名人達で、65歳を迎えたばかりの星宮社長の登場を今か今かと待っている。


　パーティーの手伝いに駆り出された社員達は、ホテルの従業員と共に、招待客をおもてなしする側に回っていた。


　文月 夏凛(ふみづき かりん)24歳。
　星宮グループ「Jewelry HOSHIMIYA」(ジュエリー ホシミヤ)広報部に勤務する私もまた、このパーティーが円滑に行われるよう進行役を仰せつかっている。
　もちろん、新米社員の私はただのアシスタントに過ぎないけれど……
　上司である朝吹課長の指示を受け、さっきからずっと進行表とにらめっこしている。