夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
演技に集中、カットがかかり、チェックが入る。
監督のOKが出て、ワンシーンが終了。


「今のは良かったね。いつも以上に2人の距離が近くて気持ちが伝わってきたよ」


「ありがとうございます~。琉唯君、監督に褒められちゃたね」


「……ああ」


「次も頑張らないと! 琉唯君も元気出して~」


私は琉唯君にしがみつき、夏凛をチラッと見た。


「優梨愛ちゃん、離れて」


「え~、琉唯君、そんな意地悪言わないでくださいよ。照れてるんですか?」


「そういうの、ほんとに止めてくれ」


「えっ……」


今の琉唯君の目、ちょっと怖かった。
どうして私がこんな嫌な思いしなきゃいけないの?


まさか、夏凛がいるから琉唯君が私に冷たくするの? だったら夏凛が悪い、琉唯君、つい最近までは私と普通に仲良くしてくれてたのに。
夏凛が……あの女が私達の仲を引き裂こうとしてるんだ。


本当、許せない――
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