夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
私のこと、バカにして……
みんな、嫌い。
私は「倉木 優梨愛」よ。


琉唯君と釣り合うのは私だけ、夏凛じゃない。
向こう側でせっせと手伝いをしてるだけの雑用係とはレベルが違う。天と地ほどの差があるの。


その時、なぜかふと思った。
私の夢は何――?


高校の時から私は……みんなに認められる女優になりたかった。人気者になって芸能界で活躍したかった。


なのに、今、私は何でこんなにイライラしてるの?
何だか頭がごちゃごちゃしてつらい。
やっぱり、夏凛が目の前に現れたりするからおかしくなったんだ。夏凛なんかに心をかき乱されて、めちゃくちゃ悔しい。


すぐにでも2人のこと、マスコミにリークしてやろうか?


不思議だ。
いつもなら女優のスイッチが入る瞬間なのに、撮影開始の声がやけに虚しく聞こえるのはなぜだろう……
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