夏の出会いは素敵な恋の予感~超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む~
悲しい過去は忘れて~高梨side~
「大丈夫ですか? 高梨さん」


「あっ、朝吹さん」


突然、朝吹さんに声をかけられ驚いた。


「Jewelry HOSHIMIYA」の5階にあるフリースペース。とても広くて解放的で、大きな窓から見えるパノラマの景色が心を癒してくれる。
社員さん達が休憩するには、かなり贅沢な空間だ。さすが星宮グループ、センスが良い。


「こんなところでどうしたんですか?」


「……ちょっと色々あって。もしかしてさっきの見られてました?」


「さっき? いや、私は別の仕事をしてましたから……」


「そうでしたか。私……少しは冷静にならないとダメかも知れません」


朝吹さんに促され、だいたいの事情を説明した。


「確かに……琉唯君との距離が近ければ、マネージャーさんとしては、色々注意したくなるでしょう」


「ええ、でも……」


「あまり気にしない方がいいですよ。思い詰めると心や体に良くない……なんて、僕も人に言える立場じゃないですけどね」
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