夏の出会いは素敵な恋の予感～超人気俳優になった憧れの先輩は、溢れんばかりの愛情で甘く私を包み込む～

世間に公表するほんの少し前に朝吹課長に結婚を報告した時は、とても喜んでくれた。
何だか……ホッとした。
朝吹課長の顔は穏やかで、以前私に見せた少し影のある表情はすっかり消えていた。


『色々ありがとう。夏凛ちゃんのおかげで……僕も前に進むことができるよ。夏凛ちゃんには琉唯君がとてもお似合いだから……。本当に良かったと思ってる。だから、これからは自分も新しい人生を生きていくよ』


『新しい人生……ですか？』


『ああ。……過去に心に傷を負った人の力になれたら……なんて、図々しいことを思ったりしてる。……ごめんね、意味がわからないよね。それでいいんだ。自分自身、ちゃんと踏ん切りをつけないと、前に進めなかったから。夏凛ちゃん、君と一緒に仕事ができて嬉しかったよ。本当にありがとう。君に出会えて……良かった』